Face Reading ふくろう流観相学 池袋絵意知
HOME
今週の顔
顔とは何か
プロフィール
メディア情報
お問い合わせ
ふくろう日記
似顔絵募集
THANKS

ふくろう日記

日本顔学会セミナー
『顔表情のロボットによる表出と自動認識の追求と応用』


2001年9月11日(火)
第19回 日本顔学会イブニングセミナーの『顔表情のロボットによる表出と自動認識の追求と応用』に参加してきました。
講師は東京理科大学工学部機械工学科助教授の小林宏先生。

小林先生は、人間と機械との(情緒豊かな)感性コミュニケーションをテーマに研究されていて機械に「顔」及び「顔表情」を持たせることを考え、ロボットによる表出技術と、画像処理による自動認識技術について紹介してくださいました。
※赤字が私の言葉です。

まず、左右の目頭の距離を基準にしてロボットにいろんな人の表情パターンを覚えさせる「表情認識技術」についての話があった。
万国共通に表出・認識ができると言われている驚き、恐怖、嫌悪、怒り、幸福、悲しみの6基本表情の認識、6基本表情の強さの認識、表情が混ざった混合表情の認識を行った。そして静止画による6基本表情の認識に関しては、30人の6基本情報を対象に約90%の認識正解率を得たそうだ。

その「顔ロボ1号機」が認識できた基本表情のパーセンテージは、驚き97%、恐怖53%、嫌悪77%、怒り84%、幸福94%、悲しみ97%だったのだが、実際
私たち人間が人の表情がら認識できる基本表情も同じくらいのパーセンテージのような気がする。

そしてロボットにより表情を表出する上においても「どのようにして表情を表出するか?」が大切であり、それをアメリカの心理学者Ekmanが表情の動きを44に分類した分類法である
Action Unit(AU)により実現させた。
その中で基本表情表出に必要なAU(Action Unit)は、1.Inner Brow Raiser、2.Outer Brow Raiser、4.Brow Lowere、5.Upper Lid Raiser、6.Cheek Raiser & Lid Comporssor、7.Lid Tighter、9.Nose Wrinker、10.Upper Lid Raiser、12.Lip Corner Puller、15.Lip Corner Depressor、17.Chin Raiser、20.Lip Stretcher、25.Lip Part、26.Jaw Dropがあり、6基本表情を表すにはどのポイントとどのポイントを動かせばいいかという組み合わせがある。
その中で、幸福は組み合わせが少ないが、恐怖はいろんなポイントを動かさないと表情が作れないということだった。

つまり、認識が難しい恐怖という基本表情は、表情を作る場合においてもたくさんの(AU)を動かす必要があるので難しいということがわかった。
これは面白かった。
自分の気持ちを表情に表して、いかに相手に伝えることが出来るか?
ということがこの顔表情ロボットの研究によって導き出されてた。
普通の人が意識してAction Unit(AU)を動かすということはなかなか難しいと思うが、演劇をやっている人がこのアクションユニットを意識して演技すると面白いと思う。
作りたい表情のポイントを意識して眉の内側をあげたり、眉の外側をあげたり、頬をあげたり、口角をあげたり、アゴをさげたりするのだ。


また、小林先生は「表情認識技術」を応用し精神疾患の自動診断を開発している。
精神分裂症などの精神疾患者の増加に伴い、これを起因する自殺者の増加や犯罪の多発は大きな社会問題になっている。(精神病での入院患者は35万人で欧米の3倍)
一方、精神科診断では、定量的な手法は確立しておらず、診断は医師の資質、主観に委ねられている。
実際医師は、基本的に患者の表情変化により診断しているらしい。
そこで小林先生の開発した顔器官輪郭自動抽出技術を用い、表情変化を定量的に表現する方法を現在開発しているということだった。医師の資質に依存しない問診が行われるのももう目の前かもしれない。
精神病患者の傾向として「頭部を動かさず眼球のみで相手を追求する」「表情の変化があまりない」というのがあるということだが、それを医師の主観だけではなく表情変化を認識できれば、自殺者や犯罪者を減らすことができるだろう。
とは言っても
ロボット(機械)に頼りすぎるというのもそれはそれで危ないので、医師だけでなく全ての人々が他人の表情を読みとれ、そして自分の表情を表せるようになれればいいと思う。
私は、その願いから今の活動をしています。

『顔表情のロボットによる表出と自動認識の追求と応用』について詳しくは小林先生の研究室のホームページでご覧になれます。


バックナンバー
「リハビリメイク」と「OLヴィジュアル系」
日本顔学会セミナー〜顔と歯科〜

悪人相をレッサーパンダ男を元に検証する。
日本顔学会 第10回公開シンポジウム
「今週の顔」2000年の総括
フェイシャルセラピストかづきれいこさんの講演他

日本顔学会第9回公開シンポジウム他

HOME | 今週の顔顔とは何かプロフィールメディア情報お問い合わせふくろう日記似顔絵募集THANKS
Copyright(C) IkebukuroH All rights reserved. Copyright(C) iDESiGN,Inc. All Rights Reserved.
このホームページの内容の一部または全部を無断で複製、転載することを禁じます。
ホームページに関するお問い合せは、こちらまでお願いします。webmaster@ikebukuroh.com