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「フォーラム顔学2006」第11回日本顔学会大会

2006年10月5日(木)
9月30日、10月1日の2日間に渡り開催された「フォーラム顔学2006」第11回日本顔学会大会についてです。
今年は、完成されたばかりの真新しい芝浦工業大学豊洲キャンパスで開催され、2日間で300人を超える過去最高の参加者になりました。
今年のプログラムは「顔とコミュニケーション」「化粧・美容と顔」「顔の印象」「顔の認識・生成」「顔のかたちと表現」をテーマとした演題、特別講演として「女の顔は時代の鏡-化粧の変遷に見る世相と女心-」「役者と顔」、ポスターセッション、特別展示「似顔絵に見る顔学の魅力」、デモンストレーション。
中でも特に楽しみにしていたのはデモンストレーションの「小河原智子のカリカチュアブース」「女の顔は時代の鏡-化粧の変遷に見る世相と女心-」でした。
これらを中心に、個人的に印象に残ったものをピックアップして振り返ります。
※赤字が私の言葉です。

まずは「似顔絵見る顔学の魅力」から。

初日に【南芳高の似顔絵コーナー】で南芳高さんに描いてもらいました。
南さんには2001年、2004年と描いてもらっていて今年が3回目です。


2001年

2004年

2006年

全てタッチが違う似顔絵ですが、顔も少しずつ変化しています。

東京大学 原島・苗村研究室のブース【NIGAO:対話型似顔絵作成システム】では中洲俊信さんに使い方を教えてもらい、自分で自分の似顔絵を作ってみました。
まず髪型を先に固定し、対話型GAによる似顔絵進化モードで、顔集団の中から(ポジション、目・口のパーツが私に近い)原島先生の顔イメージと、それ以外で自分と似ていると思われる顔イメージを2つ選び、この3つからコンピュータが生成した顔集団が出来上がる。


原島先生の顔イメージ

その顔集団からまた3つずつ自分に似ていると思われる顔を選択するという作業を、何度か続けて出来上がった顔に、顔部品選択・位置形状調節モードで、口は口角を上げるという調整をし、出来上がった似顔絵がこれです。

意味不明の線が出現していますが、その線の錯覚も手伝ってかなり似た似顔絵が出来上がりました。
さらにこのシステムにはないメガネとヒゲをあとから付け加えてみました。


いかがでしょう?とても似ています。

2日目はまず【大岡立の似顔絵広場】で大岡立さんに描いてもらいました。
大岡さんには2004年にも描いてもらっていますので、これも比較してみましょう。


2004年

2006年

輪郭は違いますが、パーツはほぼ同じです。
似顔絵を描いてもらったあとで購入した
「大岡立の描く黒の似顔絵むっ!描かれた有名人」を帰ってきてから見てみたんですが、これが凄い!
とんでもないデフォルメの数々なのに、なんとまぁ似ていること!
日本顔学会理事の輿水大和先生が「だんだん先生が見えてきたから描く」と言われて、ついには
“黒の似顔絵”の作品になったのですが、私も大岡さんにどうしても黒の似顔絵を描いてもらいたので、それをモチベーションとしてもっと有名になるよう頑張ります。

そして、今回一番のお目当て【小河原智子のカリカチュアブース】
ついに、日本を代表する似顔絵アーティスト、小河原智子さんに似顔絵を描いてもらえるチャンスが巡ってきました。
小河原さんは、私が2004年にラジカル鈴木さんに描いてもらった似顔絵を見て
「一度この似顔絵を見てからは、もうこの似顔絵の顔にしか見えなくなった(笑)。この似顔絵を見てしまった以上、私はもう池袋さんの似顔絵を描けないわ(笑)」
とおっしゃっていたので、いったいどんな似顔絵になるのかとても楽しみでした。
本来イベント用として短時間で数を多く描かなければならないのに、私が期待感いっぱいに話していたので、予約がいっぱいで次の人がたくさん待っている中、かなり本気モードで取り組んでくれました。
小河原さんが似顔絵を描くプロならは、私も似顔絵を描かれるプロ。
プロとプロの真剣勝負です!

何度も私の顔を見る小河原さん。
私に話しかけ、私の特徴的な表情を引き出そうとしています。
話しながら顔の角度、表情がいろいろ変わるうちに、
小河原さんが「あっ、わかった!」と言いました。
そして「サンリオのハンギョドンに似ている!」と。
私はハンギョドンのことは知らなかったのですが「たぶん目はメガネも含めてのことで、唇が厚いキャラクターだな」とピンときました。
小河原さんは「あっ、わかった!」と言ってからは、すらすらと描きはじめたのですが「初回だから普通に(笑)」とニコニコしながら描いています。
そして出来上がった似顔絵がこれ!


「普通に(笑)」のはずが・・・!!!
やはり小河原さんを本気にさせてしまったようです(笑)
凄く私の特徴をとらえた似顔絵になりました!

驚くことに、2004年のラジカル鈴木さんの似顔絵を見て
「もうこの似顔絵の顔にしか見えなくなった(笑)」と言っていたように、目と口元のスケベっぽさが、ラジカル鈴木さんの似顔絵と共通しています。
小河原さんと同じ星の子プロダクションの人には、2000年に池袋サンシャイン60展望台で宮口栄一さんに描いてもらったことがあり、その時のデフォルメも凄かったんですが、それをも上回る作品に仕上げてくれました。

その後、小河原さんが女性の似顔絵を書くところを5回くらい見ているうちに、(たぶん本には書いていない)女性を描く上で大事なポイントを見抜きました。
「Aの場合はこう描く」「Bの場合はこう描く」
“どちらを選択して描くか”というのが女性を描く場合の一番のポイントで、これにより「似た似顔絵」「喜んでもらえる似顔絵」の両方の条件を満たした似顔絵になるのがわかりました。
小河原さんの著書は「似顔絵18のテクニック―ワンポイントで楽しむ」を持っていましたが、今回「小河原智子のだれでもカンタン!ポジション式似顔絵入門」と最新刊の「大好きな人の似顔絵があっというまに描ける本」を購入したので、そのうち自分でも描いてみようかとも思っています。


以下、一般演題発表・特別講演について。
※赤字が私の言葉です。

【女の顔は時代の鏡-化粧の変遷に見る世相と女心-】
小泉今日子や今井美樹のメーキャップを担当した、資生堂ビューティークリエーション研究所、ビューティーディレクター・加藤みどり子さんの講演。
※講演を聴きながら走り書きでメモしたものなので、間違っていることろもあるかもしれません。
●年代ごとの化粧の特徴
1920年代
眉と目尻が下がり、目尻にシャドーを入れてタレ目に。
輪郭を内側にとったおちょぼ口。白い肌。
西洋でもジャポニズムの影響が流行っていたので、日本とあまり変わらなかった。
1930年代
眉は眉山をくっきり高くしたアーチ型に。
口は大きめに描く。
ニュートラル、ナチュラルなイメージ。
1940年代
素顔に近いメイク。どこかたくましいイメージ。
1950年代
眉は太く角形に。アイラインを太く。
意志の強い表情、元気なイメージ。
1960年代
白黒赤の化粧の三原色からの脱皮。小麦色の肌も出てきた。
パステルカラーの口紅。
ハーフのモデルの活躍。
パッチリ見開いた目。大きなつけまつげを下にもつけてタレ目に。
1970年代
線から色ぼかしのメイク。
ソフトなイメージにするためつけまつげは無し。
黒人モデル、日本人モデルが表立つ。
山口小夜子の日本的、平面的、日本人の美しさ。
タヌキ目がキツネ目に。キツイ表情。
1980年代
アイドルの時代。刈り上げヘア。
ブルック・シールズに代表される男のように濃く太い眉。
ピンク白→黄色みのファンデージョン。(白人コンプレックスの解消)
1980年代末〜1990年代初頭
眉が自然。ナチュラルメイク(ファンデーション薄く)。ピンクの口紅。
1990年代前半
眉を細く高く。アーチ型の細い眉。
1990年代後半〜2000年代
眉が上昇眉。
ナオミ・キャンベル、安室奈美恵に代表される小麦色の肌。(褐色の肌)
面積が広がった上まぶた。
目ヂカラのある目が流行。アイラインをしっかり(エビちゃん)
アイラインとまつげを強調。アイメイクを特に入念に。
同じモデルがその時代ごとのメイクをした写真ととも説明されたのですが、メイクでここまで顔が変わるのかと改めて驚きました。
世相とメイクの関連性についてのお話でしたが、時間があるときに観相学の観点からもなぜその時代にそのメイクが流行ったのか検証してみたいと思います。


【役者と顔】
ドラマ「北の国から」などを手がけたフジテレビジョン、編成制作局エグゼクティブディレクター・杉田成道さんの講演。
講演の内容よりも、その後の日本顔学会会長の原島先生とのフリートークでの、原島先生の言葉が印象に残りました。
・肩書きを“演じる”ということ。
お酒の席でも「東大の先生」と紹介されると、東大の先生らしく真面目に語る自分がいる。
・「オーラが人を惹きつける」→「その人からいろんなものを持ってくる」→「人から持ってきたものを自分で活かす」→「だから運がいい」
ふくろう流顔訓13箇条の第9条「運のいい人に会おう。そうすればいい顔になれる。」「運のいい人=いい顔の人」だから、運のいい人に会うといい顔になれる。ということなんですが、原島先生の口からも同じことが語られたので驚きました。


【あなたはPositiv type? Negative type? -顔の個人差と表情印象-】
[positiv type]
比較的広い頬領域と、それに伴い、顎まで緩やかな曲線を描く輪郭。口角が上を向いた形状の口を有し、微笑み表出に伴う運動変化として、頬領域の上方向への変形量が大きい。
[negative type]
比較的狭い頬領域と、それに伴い、顎まで直線的な輪郭。口角の上がらない形状の口を有し、微笑み表出に伴う運動変化として、頬領域がわずかに下方向へ変形する。
丸みがあり、表情が豊かで口角が上がっている顔がポジティブタイプということでしょう。

【最新の歯科美容外科学臨床-アンチエイジング治療実際-】
かなりの高齢にも関わらず若いと評判のある女優の顔写真を元に説明があったのだが、入れ歯の人特有の顎の特徴があった。(四角っぽくなる)
入れ歯ではなく、インプラントを入れて顎を再成すると自然な顎になるというのが写真からよくわかった。


【女子学生の化粧に関わる意識と購買行動】
化粧をする理由を「ファッションとして」とした女子学生の回答が最も肯定比率が高かった。
次いで「普段の顔より変えたいから」「自信がつくから」であった。

【3次元計測法による顔面表情に伴う顔形態特徴の測定-中国人大学生の特徴-】
顔特徴と民族性との関連性を検討する日韓中の比較研究などによると、自民族性の判断の根拠となる形態特徴は各々異なっている。
中国-額 日本-目 韓国-頬・顎

【行動特性と顔】
専門的な業種は、個人の突出した能力を要求することが多く、この能力は、個人の内的特性に由来するものと考えられる。そのため、人の顔はその顔の持ち主の能力とも関係している可能性もある。
私の考え方と基本的に同じ。
アカデミックの分野の方がこの研究し、そして発表することは、風当たりが強いと思いますが、方向性は正しいと思うのでぜひ続けてもらいたい。


【一卵性双生児の顔面形状特徴の計量事例研究】
遺伝子が同じの一卵性双生児の顔が、兄と弟(姉と妹)で違ってくるのは、環境の影響が大きく「男は就職して変わった」「女は結婚後変わった」ケースが多かった。
また、兄と弟(姉と妹)の顔の違いは内部組織の違いであって、骨は差が少ない。
私が雑誌CREA(クレア)で女優の室井滋さんと対談した時に
「何を食べ、どういう言語を話すか、気候などでも顔は変わります。」という話をしたところ、室井さんから
「そう言えば、事務所の社長の息子、一卵性の双子なんですが、片方がアメリカに行って生活や進む道が変わったら、どんどん容姿が変化してきたんです。それまでは親も時々見間違うほどソックリだったのに。」
という大変興味深い話を聞きましたが、やはり環境の影響によって顔の筋肉に変化が起こるのでしょう。


【咬合不良が願貌、姿勢に与える影響】
噛み合わせを正確にすると、治療後、目がイキイキとし、頬の血色もよくなる。
ふくろう流顔訓13箇条の2条「歯をきれいにしよう。心も身体もきれいになる。」
つまり「健全なる精神、健全なる肉体、健全なる顔は、健全なる歯に宿る」です!


懇親会では原島先生に「やすみりえさん(原島先生とも親交がある女流川柳作家)の川柳の会で、2回“りえ賞”をもらいました!」と自慢しました。
すると原島先生から「そういう才能もあるんだね〜」とおっしゃっていただいたので「いえ、毎回りえ先生からアドバイスされたことを意識して、真剣に取り組んでいる結果です!」とお答えしました(≧∇≦)

ふくろう流顔訓13箇条の第9条にあるように「運のいい人に会おう。そうすればいい顔になれる。」のです!
【役者と顔】で原島先生がおっしゃった「オーラが人を惹きつける」→「人からいろんなものを持ってくる」→「人から持ってきたものを自分で活かす」→「だから運がいい」の“逆も真なり”で
「オーラのある人(いい顔の人・運のいい人)に会う」→「その人からいろんなものを持ってくる」→「持ってきたものを自分で活かす」→「だから自分の顔がよくなる(自分の運がよくなる)」と言うことです。
やすみりえさんのようなオーラのある人(いい顔の人・運のいい人)に会うことで、顔訓13箇条の第13条「いい顔、悪い顔は人から人へ伝わっていく。 」となり、私自身の顔も運もどんどん良くなっていくのです!

この日も懇親会で「いい顔」の人にたくさん会うことで、また私の顔がいい顔になり、私の運が良くなってきました。
みなさんありがとうございました。

日本顔学会に入会して7年、いつの間にか私も顔学会の中で古株になってきました。


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